元々自分の周りの人たちの役に立ちたいと思って医療の道を目指しましたので、専門家になりたいというよりは総合的に広く病気を診ることができるようになりたいと思っていました。
そういったこともあり内科(血液内科)に進みました。
血液内科は白血病やリンパ腫などの血液のがん、難しいと言われるような病気を診る専門性の高い分野ですが、血液の病気にかかっている方であれば内科疾患全般を診ることも多く患者さんの身体全体を診ることができる科なんだと感じ、興味が引かれました。
また、当時の上司に恵まれたということも大きいと思います。
この分野はやっていけばやっていくほど血液学に対して深くなっていけて、すごく面白い面もあるのですが、やはり時間の多くを血液学に割くようになっていき、当初の自分の想いとずれが生じてきました。
そういった経緯もあり「もう一度勉強し直したい」気持ちが出てきましたので、市民病院で学ばせていただくことになりました。
しかし、市民病院もやはり専門性が高く身体全体を診るというよりは各分野の専門的なことを主にやっていくため患者さんが他の病気を持っているように診えたとしても、専門科の先生に紹介状を書いたり、かかりつけ医に診てもらうよう促したりすることが多くなり患者さんから相談をされても時間的な問題でしっかりと丁寧にお答えすることが難しいことに自分の中で違和感を覚えました。
「自分が目指してきたのはこういうことなのか、本当にやりたいことをやるにはどうすれば良いか」考え、それを実現するには自身でクリニックを開業すべきで、総合医としての一つのゴールかな。と思い開業を決意しました。